クラウドソーシングでWebサイト制作を依頼する場合、デザイナーに直接依頼する場合が多いです。
それが、一般的な制作とどう違うのか、依頼者はどのような準備をすれば良いか説明します。
一般的なWeb制作との違い
中規模以上の制作会社のホームページ制作では、デザイナーに直接依頼することはありません。
まず、営業が予算や要件をヒアリングし、ディレクター(営業と兼ねる場合もあり)が調査、コンセプト立案、ワイヤーフレームの作成を行い、アサインされたデザイナーがデザイン案を作成します。
クラウドソーシングで依頼をすると、デザイナーに直接依頼することになるので、ディレクターが行う業務で必要なものは発注者とワーカー(デザイナー)で分担することになります。
そのため、依頼者には少なからずセルフディレクションの能力が求められます。
具体的には、以下などです。
- サイトのスコンセプト(サイトで伝えたいことや実現したいこと)を決める
- 大まかな納期やスケジュールを決める
- 参考サイトを探して提示する
- サイトに掲載する文章(社屋や社員の掲載がある場合は写真も)を用意する
- トップページのワイヤーフレームを作る
上記でデザイナーがデザイン案を作るのに絶対必要なもの、それはワイヤーフレームです。
ワイヤーフレームとは、掲載内容を簡単に示した図のようなものですが、必要な要素とそれらの優先順位がわかるようになっています。
クラウドワークスでコンペを見てみると、
ワイヤーフレームの提示の無いコンペは、ワイヤーフレームが提示されているコンペと比較して、グッと提案数が減る傾向があります。
多く提案を集めるためには必須の資料です。
セルフディレクションが難しい場合は、
- Webディレクターを探してコンセプトとワイヤーフレームを作ってもらう
- ワイヤーフレームから作成してくれるデザイナーに頼む
のが良いです。
その場合、プロジェクト形式で相談しながら探すと良いかと思います。
無理のないスケジュールを立てる
10ページ前後の量だとスケジュールはだいたい1ヶ月程見ている場合が多いのですが、募集期間も含めて1ヶ月だと少し短い気がします。
例えば、制作自体が1ヶ月だったとしても、3ヶ月単位のプロジェクトに当てはめて、自分の準備やデザイナーの選定で1ヶ月、1ヶ月で制作、1ヶ月はバッファ(予備)など、必ず余裕を見ておくと慌てずに進められます。
静的ページで20ページ以上ある場合、WordPressでフルスクラッチで作る場合、オンライン見積りなどシステム開発が入る場合は、1ヶ月より長い期間で見た方がいいでしょう。
デザイナーもプログラマーも複数の案件を掛け持ちしていることが多く、優秀な人材ほど先のスケジュールが埋まっています。発注には余裕を持つことが、良い人材を確保する上でも大切なことです。
環境の準備
作成したホームページは、サーバー上で公開するのでサーバーの契約が必要です。
また、URLを構成するドメインを事前に取得する必要があります。
特にWordPressの制作などプログラムで出すサイトの場合は、データを移すとエラーを起こす可能性があるので、公開するサーバーと全く同じ環境か公開するサーバーに構築した方が不具合の出る可能性は低くなります。
因みに、止まってはいけないサービスを運用する場合などは、メインのWebサーバーとミラーサーバー(全く同じ内容がコピーされているサーバー)などサーバーを複数用意して構成し、構築の際も開発環境、テスト環境、ステージング環境、本番環境と4つの環境を用意したりするのが一般的ですが、1人や数名の小規模の事業者の場合、1つのWebサーバーで簡易に済ませることも多いです。その場合は、トラブルが起こった際に表示されなくなるなどのリスクがあります。
レンタルサーバーの簡単な設定はデザイナーでも行えますが、高度な設定や複数の環境を構築する場合、自由度の高いサーバープランが必要になったり、専門的な知識を持ったサーバーエンジニアをアサインして行ったりする必要がでてきます。そのため、お客様の要求が高くなるほど、サーバー自体の構築や設定にかかる費用も発生し、また保守の費用もそれなりにかかるのが一般的です。
価格について
価格をサイト上に掲載している制作会社も多いですから、探せば見つかると思います。
または、アイミツなど仲介会社が費用相場などのコンテンツを掲載しているのを見てみるのも良いと思います。
初期費用を抑えたい場合は、保守とセットにして初期費用を抑える価格構成にしている制作会社があるので(スマホの機種費用を分割するようなイメージ)、そういったプランがある会社を探してみてもいいかもしれません。
アイミツでの相場を見ると、クラウドソーシングは安いです。なぜなら、仕事を掲載する企業側が指定した価格のため、応募者は空いた時間があれば0よりは良いだろうと思って応募するからです。
しかし、赤字になるような案件の場合、プロジェクトの途中で終了を希望されたり、連絡が取れなくなってしまったりするようなリスクもあります。
一般的な制作会社(*格安ではなく)の2/3程度の価格であれば無理のない金額でしょう。
価格・品質・納期はトレードオフです。
価格が安いなら品質は下がりますし、特急の仕事にはよりリソースを確保するため特急料金が必要となります。
優先順位をしっかり決めておく必要があります。
心の準備はできましたか?
初めて発注される方は、何をどのように進めればいいのか、不安があるかと思います。
クラウドソーシングサイトでは、プロジェクト形式では相談しながら進められます。また、FAQや質問機能があるサイトもありますので、登録してみるのも良いかと思います。
登録がまだの方はこちらからどうぞ